様々な不妊関連の掲示板を見ていると、よく目にするのが‘着床出血’と‘着床痛’という言葉。もし今周期のタイミングがばっちり当たりだったとしたら、排卵日からそろそろ1週間。着床の時期である。まだ早すぎるとは思っていても、ついつい体の微妙なサインはないかと意識が集中する。そこで、この着床出血と着床痛は実在するのか、あるとしたらどういうメカニズムなのか、調べてみた。
【着床出血について】
・医学用語ではない。(日本産科婦人科学会の用語集にはない。ステッドマン医学大辞典にもない)
・口コミやネットで一般に広まった言葉らしく、その語源や定義もはっきりしない。
・予定月経日頃に少量の性器出血が2−3日から 1 週間続くことがあるが、これは医学用語でHartman徴候と呼ばれ、着床が進行する過程での生理的なものである。
・なぜ出血が起こるかには、大きく分け2つの説がある。有力な説は、受精卵が着床の後、子宮の組織を溶かしながら子宮内膜の奥に入っていくため。2つめの説はホルモン説であり、妊娠した時には、胎盤から絨毛性ゴナドトロピン(hCG )が分泌される。このホルモンは卵巣に働きかけ、妊娠を維持させ出血が起こらないようにする。しかし、このhCGの量が少ない場合は、卵巣への働きかけが弱く、少量の出血が起こる。
・このような出血がおこる人は、全体の約1-2%である。
【着床痛】
・医学用語ではない。(日本産科婦人科学会の用語集にはない。ステッドマン医学大辞典にもない)
・口コミやネットで一般に広まった言葉らしく、その語源や定義もはっきりしない。
・もしHartman徴候があると仮定し、その理由が仮説の2番目のホルモン説であるとしたら、軽い生理痛のようなものがあるかもしれないが、明らかではない。
昨今のインターネットの情報量は膨大で、専門用語も含めてほとんどの言葉に関しては、検索するとなんらかの情報が出てくる。しかし、この着床出血と着床痛という言葉は、一般人の掲示板や口コミ情報、あるいは明らかに妊娠関連商品の宣伝のために用いられているのみであり、医学的なHPや病院での公開情報では、ほとんど出てこない。というわけで、あまり敏感になり一喜一憂せず、やはり次の生理予定日を待つのが賢明である。それにしても、ネット造語とその浸透の速さは驚異的である。情報は、振り回されることなく上手く使いたい。
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